研修旅行記その2(平取町・むかわ町)
掲載日:2023.11.09
さけのふるさと村教授会です!
普段は展示解説を行っている我々が、北海道の自然やサケ利用を学ぶために千歳水族館を抜け出して研修旅行に行ってまいりました!
記録記事、第二弾です(‘ω’)ノ
第一の行先は、沙流川(さるがわ)流域に位置する平取町二風谷のコタン(アイヌ語で「集落」)。
アイヌの関連施設が多くあり文化が色濃く残ります。
チセ(「家」)が立ち並び、アイヌ作家の方が作った伝統工芸品作成の見学と購入ができます。

二風谷コタン
二風谷アイヌ文化博物館では、実際に使用されていた衣食住に関する道具が展示されていました!
考古学や歴史に詳しい会員が他の会員に解説する様子が見られ、有意義な時間でした。
我々としてはやはり一番気になるのはサケの利用についてです。食料としては勿論ですが、遡上に耐えるために丈夫になったサケの皮は主に衣服に用いられてきました。今に残る実物を見ることで、その耐久性・利便性を実感しました。

二風谷アイヌ文化博物館
沙流川歴史館では、川の利用、生態系再現、チャシ(「砦」)跡のジオラマに圧倒されました。動植物や岩石鉱物に至るまで詳細な解説付きでした。
一連の生態系を知ることで、その用途について理論的に体感することが出来ました。
また、二風谷はアイヌ研究者である萱野茂さんの出身地であり、医師であり考古学者でもあるイギリス人のニール・ゴードン・マンローさんの終の住処でもあります。
お二方のエピソードや収集品も、二風谷で知ることができます。
アイヌの生活を守り、言語と文化を現代に受け継いでくれた方々へリスペクトが溢れました。

アイヌ文様のサケ
アイヌ文様柄のサケが、街の中や展示、工芸品の中で多く見られました!モレウ(渦巻き)、アイウシ(とげ)の単純な二つのモチーフを、組み合わせて繰り返すことで美しく複雑な意匠となります。我々の生活になくてはならないサケ、アイヌの方々にも愛されているんですね!
その他関連施設が沢山あり、滞在時間が足りないほど充実していました…!!
第二の行先は、むかわ町立穂別博物館です。

クビナガリュウの復元骨格。大きくてカメラに入りきらない…!
むかわ町では多くの恐竜化石が発見されています。
ホベツアラキリュウ(クビナガリュウ)の発見により博物館が設立され、その後もカムイサウルス(通称:むかわ竜)、モササウルスが発掘されました。
新種の恐竜、しかもその骨格がまとまって発見されるのは狭くて造山・プレート運動が活発な日本では珍しいことです。

まとまって見つかったカムイサウルス骨格

獰猛なモササウルスの復元
古代生物の化石を見ながら、現代の生物との相違点・共通点について話し合いました。
一億年遡ることで北海道の自然について理解が深まりました。
旅行記は以上です!
教授会の活動に興味を持った方は、是非お声かけいただければ嬉しいです。
改めまして、11月11日はサケの日!!
採卵体験、サケ皮クラフト、アイヌフェスタ…楽しいイベントと充実した展示が目白押しですので、水族館HPをチェックしてお越しください!